【2021年間ベスト】Virgin Music Japanスタッフが選ぶベスト・ソング5選 vol.3

2021年、多くのアーティストや音楽レーベルが引き続き困難にぶつかったコロナ禍の中でも、インディー音楽シーンでは、時代性やアイデンティティと主体的に向き合う次世代アーティストたちが、世界各地で台頭した年だった。今年のデビューアーティストから、予想外のブレイクやTikTokでのバイラルヒット、グローバルリリースまで、Virgin Music Japanスタッフが2021年のリリースから各々の基準で選ぶ年間ベスト・セレクション企画。今回はTommyのバラエティ豊かなセレクションをどうぞ。



★ Virgin Music Japan Staff:Tommy

Netflix、Amazon、Huluを日々徘徊し、アニメみたり、映画みたり。Spotify Wrappedによると映画『グリーンブック』の題材になった米クラシック/ジャズ・ピアニストDon Shirleyの「Happy Talk」を今年は1番聴いていたらしい。


■TOP 5 Songs (順不同)

Unknown Mortal Orchestra「That Life」


米ポートランドを拠点に活動するサイケ・ポップ・バンド。フジロック出演をはじめ、来日公演がソールドアウトとなるなど、ここ日本でも彼らのローファイ・サイケ・サウンドの虜になる人が増加中。Tame Impalaの浮遊感溢れるサイケ、King Gizzard and the Lizard Wizardの実直な職人のようなサイケも大好物の自分。Unknown Mortal Orchestraの「That Life」は、曲頭から煌めくギターラインで心を鷲掴みにされ、出会った瞬間に即ライブラリ保存。キレッキレのダンスを踊るパペットが癖になる同曲のMVもぜひチェックしてほしい。パペットを動かしている黒子さんも風景に合わせて服装が変わっていたりと、色々シュールすぎて幸せな気持ちになれるので、ぜひ見てほしい。本当に癖になる。


Bring Me The Horizon「DiE4u」


デビュー時から幾度となく来日公演を見てきたUKのデスコア/メタルコア/オルタナメタルの絶対的カリスマ、オリヴァー・サイクス率いるBring Me The Horizon。リリースの度に進化しており、もはや1つのジャンルを絞ることはできない。今作「DiE4U」は、初期のようなグロウルは無くても、心の叫びが突き刺さってくる。健全ではない執着や依存する気持ちを恋愛に置き換えて表現しているようで、「君のためなら死んでもいい」と歌っている部分の「君」に該当する部分が、(私見だが)人以外にも、アルコールであったり、ドラッグであったり、置き換えて考えることができる。ミュージック・ビデオはやや映画風で、映画『マトリックス』の1コマにあるゴス&サイバーパンク感あふれるパーティーと、『ウォーキング・デッド』のゾンビたちを掛け合わせたような世界観だった。途中から血まみれなので観覧注意。私が最後に見た2019年のBABYMETALとの来日公演から、さらに進化を遂げているだろう彼らの最新のライブを日本で見れる日を心待ちにしている。


Pouya「Wig Split ft. Denzel Curry」



SoundCloudを中心に巨大なファンベースを築いている米マイアミを拠点に活動するラッパーのPouya。まだまだ日本での知名度は低いが、アメリカのエモ・トラップ・シーンで絶大な人気を誇るヒップホップデュオ、$uicideboy$ や米テネシー出身のラッパーJuicy Jなどとコラボを果たすなど、母国アメリカで高い人気を誇っている。最新アルバム『Blood Was Never Thick As Water』収録の「Wig Split」ではこれまでもコラボ経験のある同郷のラッパーDenzel Curryと再コラボ!バウンシーなパーカッションとシンセが印象的な2分強の短いトラックで、現行のマイアミのヒップ・ホップシーンをリアルに体現できる1曲。


Girl In Red「You Stupid Bitch」


上半期ベストでも選出したノルウェーの新星SSW、Girl In Red、再選で!2019年作のシングル「bad idea」から聴き始めて注目していたら、あっという間に大ブレイク。代表曲「Serotonin」はビリー・アイリッシュの兄フィニアスが共同プロデュースということで話題に。「You Stupid Bitch」は、傷心の相手をなだめているかと思いきや、、、、突然「あんた、ばかなの?あなたの最高の相手は私だから。」という、心に秘めていたもどかしい気持ちが超直球ストレートで飛んでくる痛快なラヴソング。


宇多田ヒカル「君に夢中」


2021年3月リリースの「One Last Kiss」も鳥肌ものだったが、11月に発売された最新シングル「君に夢中」も素晴らしすぎて感涙。2曲とも2021年終わる前に絶対聴いてほしい。楽曲の論評はジャーナリストの方々が素敵なレビューをしていると思うので、違った目線で1言。「君に夢中」のミュージック・ビデオを手掛けたのは、レディオヘッド他のライブ映像を手掛けてきた映像作家のデヴィッド・バーナード氏ということで、MVではスタジオライブの様子と舞台裏がわかるような構成になっている。映像内で、宇多田ヒカル氏が米ヒップホップデュオMobb Deepのヴィンテージのトレーナーを着用している姿がなんともキュート。Mobb Deep、好きなのかなぁ。「First Love」の衝撃からずいぶんたったけれど、日々進化し続ける彼女の音楽もセンスも全て大好き。あ~好き。


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