【年間ベスト】2020 Caroline Japan ベスト・ソング・レビュー vol.1

世界中がカオティックな雰囲気に包まれつつも身動きが取れない、というクレイジーな状況が続いている2020年も、残すところあとわずか。不安や希望が入り混じる中、今年もたくさんのリリースがありました。生活の変化から在宅や遠隔で制作を行うミュージシャンも増え、新たな流れが音楽業界に広まったと思います。そして今も、この状況下で何ができるか試行錯誤を繰り返し、止ることのない音楽の力を実感している方も多いのでは。 変動に満ちた今年一年を振り返り、CarolineスタッフがCarolineからのリリース、そしてオールジャンルからベストソングを5曲ずつセレクト、コメントと共に紹介します。


★ Caroline Staff:トミー
音楽は広く浅くゆるく。今年は漫画とアニメにどっぷり浸かった1年でした。


【Caroline TOP 5 Songs】 (順不同)


【Caroline TOP 5 Songs】は、こちらのYouTubeプレイリストからまとめてチェック。


■ Loyle Carner “Yesterday”


過激な言葉遣いが多いヒップホップやラップの中で、ロイルはいつも彼の優しい人柄がわかるような音楽を届けてくれる。Madlibにビート・メイキングを依頼したり、サンプリングにはThe Si-berians(確かシカゴの隠れたスイート・ソウルの名盤)の「This Is The Ending Of Our Love」を使用したり、先人へのリスペクトを感じさせる作品。ロイル優勝で。

■ Greentea Peng “Hu Man”


サイケデリック・ソウル・シンガーと形容されている彼女。ちょっとエイミー・ワインハウスを彷彿とさせます。独特な佇まいと芯のある力強いソウルフルな歌声、ボサノバ風なチルいサウンドにKO。新曲もいいなーなんて思っていたらBBC Sound Of 2021にもノミネートされ世界的ブレイクも間近かも?

■ Christine and the queens “People, I’ve been sad”


一聴したときは、ちょっと地味だなぁなんて思った自分をぶん殴りたいです。聴けば聴くほど味がでる完全なるするめ曲。極限まで洗練されている音楽。

■ beabadoobee “Worth It”

今年は90年代リバイバル系作品が多い印象だったけど、中でもsoccer mommyの『clolor theory』とbeabadoobeeの『Fake It Flowers』がお気に入り。soccer mommyは煌めくノスタルジックなバイブスで、beabadoobeeは90年代の激情系エモ的なエッセンスを感じる作品。どちらもアルバムを通して素晴らしい作品なので、ぜひ通しで聴いてみて。

■ King Gizzard & the Lizard Wizard “Automation”


Tame Impalaの『The Slow Rush』が最高なのは言うまでもなくなので、同じオーストラリアのサイケ・シーンのバンドKing Gizzard & the Lizard Wizardをここで選出。まじ多作すぎぃいい。16作目って。って思ってたらまた新曲出してるし。溢れ出すクリエイティビティーに完敗。

【All Genre TOP 5 Songs】(順不同)


【All Genre TOP 5 Songs】は、こちらのYouTubeプレイリストからまとめてチェック。


■ Adrianne Lenker “anything”

山小屋にこもってアナログ・レコーディングされたこともあって、環境音とかが入った音の質感が好き。アコースティックの音色が繊細で涙が出そうになる。年始のLucy Roseのライブも素晴らしかったし、自分のフォーク熱に火が付きそう。ぜひ晴天のフジロックのヘヴンとかでみたい。

■ Nick Hakim “Qadir”

Nick Hakimが来日した時に、新曲とかなんとか言って、確か一番最後にこの曲を演奏してた。それがすっごい良くて頭に残ってたんだけど、しれっとリリースされてた。ライブでも曲の最後の”yeah yeah yeah yeah”の部分をみんなで歌って、ステージの上にいる人も下にいる人も関係ない感じがして、すごい一体感があって良いライブだったなぁ~。何も気にせずライブに行ける幸せな時期が懐かしい。

■ Joji “MODUS”

超ドープなこの曲を聴いた後に、昔のjojiのYoutubeのVlogみるとわけわかんなくて沼にはまる。

■ Caribou “Home”

今年は世界中の人が自主隔離して生活することが多かったからか、“家”や“大切な人とのつながり”をテーマにした良作が非常に多かった気がする。ファン待望の新曲で、70年代のR&BシンガーのGloria Barnesの同じ楽曲名の”Home”から“Baby I’m home I’m home”の声をサンプリングして、ファンにも“帰ってきたよー”と楽曲で伝えているのにも胸熱。しかも、この曲は盟友Four Tetとやりとりしながら完成させた作品。Four Tedも今年『Sixteen Oceans』を発表しているし、ぜひあわせて聴いてほしい。

■ Metz “A Boat to Drown In”

7分以上ある曲だけど3分過ぎのインストが特に好き。これはぜひ爆音で浴びたい。Feverの前列付近でぐちゃぐちゃになりながら聴くか、リキッドの後方でお酒片手にゆらゆら揺れながら爆音シャワーを浴びて、ライブが終わった後に友達と“耳が破壊されたね”なんて言いながら飲みに行きたい。


選びきれないのでBest of 2020番外編はここにプレイリストにまとめて置いておきます。
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